男性型脱毛症(AGA)の基礎的研究 (第2部) 育毛剤と遺伝子

5アルファ還元酵素(5α-レダクターゼ)

テストステロンは、5α-還元酵素によって、ジヒドロテストステロン(DHT)に代謝されます。DHTは、テストステロンの活性型です。テストステロンよりも10倍~30倍強力な、アンドロゲン活性が、DHTにあります。

DHTは、体に必須のホルモンです。
DHTは、男性と女性で、青年期以降の、活動力と健康な体の状態を、維持・促進します。

他方で、DHTは頭髪の直径を細くし、男性型脱毛症を誘発します。さらに、男性と女性で、いくつかの癌の可能性を増加させます。

5α-還元酵素、I型とII型

頭皮には、2つの異なる5α-還元酵素(5α-レダクターゼ)があります。それらはI型とII型の5α還元酵素です。

5α-還元酵素のI型アイソザイムは、主に、皮脂腺・毛乳頭細胞・表皮と濾胞性の、ケラチノサイト・および汗腺に分布しています。

5α-還元酵素のII型アイソザイムは、主に、頭髪の毛包の外毛根鞘・内毛根鞘・毛乳頭・および皮膚線維芽細胞、さらに精巣上体・精管・精液小胞・前立腺・胎児の生殖器皮膚に存在しています。

5α?還元酵素のI型とII型アイソザイム、およびDHTの濃度は、非脱毛性の後頭部の頭皮に比べて、前頭部の脱毛領域の毛包で、増加しています。

I型とII型の両方のアイソザイムが、AGAで重要な役割を果たしています。

女性の5α-還元酵素のI型とII型の量は、男性の約1/3です。

5α-還元酵素の阻害薬
フィナステリドとデュタステリド

酵素5α-レダクターゼ(5α-還元酵素)の阻害薬は、テストステロンがDHTに変換をするのを防止します。DHTは、テストステロンよりも、強力なアンドロゲンです。

2種類の5α還元酵素の阻害剤が、市販されています。それらは、フィナステリドとデュタステリドです。

フィナステリドは、II型の5α-還元酵素を、ブロックします。

デュタステリドは、I型とII型の5α-還元酵素を、ブロックします。

フィナステリドを毎日1mg服用すると、アジア人では、頭髪の毛の直径が、平均10%太くなったという報告があります。これは、標準用量である、毎日1mgのフィナステリドを、内服し続けると、頭髪の密度が、21%増加したことを意味しています。

毛髪関連 所属学会
その他 所属学会