男性型脱毛症(AGA)の基礎的研究 (第2部) 育毛剤と遺伝子

PTGES2遺伝子
PGE2とミノキシジル

毛包細胞に対する、ミノキシジルの作用と、その正確なメカニズムは、まだ十分にわかっていません。

PTGES2遺伝子は、PTGES2酵素の活性に、関係しています。

線維芽細胞によって産生される、プロスタグランジンE2(PGE2)の濃度が増加すると、頭髪の成長が誘導されます。
逆に、PGE2の濃度が低下すると、脱毛症になります。

PTGES2遺伝子は、PGE2の合成をコードしています。
PGE2は、PGH2から作られます。
ミノキシジルは、PGE2濃度を増加させます。そして、このことが、毛包を刺激します.

SULT1A1遺伝子とPTGES2遺伝子を解析すると、ミノキシジルに対する反応性の、個人差に関する情報が、得られるかも知れません。

遺伝子の解析技術が進歩すれば、ミノキシジルを使った薄毛治療を始める以前に、患者がミノキシジルに対するレスポンダーかノン・レスポンダーか、その反応性を、前もって、識別できるようになるかもしれません。

テストステロン・シグナル伝達経路

次の話題は、テストステロン、5α-還元酵素と、DHTです。

テストステロンは、アンドロゲン感受性組織だけでなく、毛包の皮膚の、線維芽細胞や毛乳頭にも広く分布するタンパク質である、5α-還元酵素(5α-レダクターゼ)という酵素によってDHTに代謝されます。

5α-還元酵素は、アンドロゲン受容体の主要部位である、毛乳頭に豊富に存在しています。

5アルファ-還元酵素(5α-レダクターゼ)とDHT

5α-還元酵素の遺伝子には主に2つの異なるタイプがあります。それらはI型およびII型アイソザイムです。

どちらも、テストステロンからDHTを産生しますが、薬理学的および生物学的特性、ならびに組織および細胞型は、それらの間で異なっています。

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