育毛剤:ミノキシジル

ミノキシジルの反応の見分け方


でも、がっかりする必要はありません。どうすればいいかと言うと、試しにしばらくの期間、ミノキシジルを使ってみればいいのです。ミノキシジル溶液を数ケ月~半年間使ってみれば、結果はわかるでしょう。

ミノキシジルが良く効く体質の方は、最初の数週間~数ケ月間で、シャンプーの後に排水溝にたまる抜け毛の量が減ってくるはずです。抜け毛の減少は、ミノキシジルの効果が出たしるしです。抜け毛が減少した分、髪が増えていることになります。つまり、その方は、ミノキシジルに良く反応している体質(responder)であることがわかります。
もし、抜け毛の量が変わらなければ、ミノキシジルが効きにくい体質(non-responder)である可能性が考えられます。

つまり、抜け毛の量が減ればresponder、変わらなければnon-responderというわけです。
もし自分がnon-responderだと思っても、ミノキシジルを長年使い続ければ、現状の髪を維持する程度の効果は期待できるので、ミノキシジル溶液をやめないで、使い続けた方がいいと思います。

ところで、ここで、注意すべきことがあります。ミノキシジル溶液を使い始めて、最初の数週間~1ケ月目ころに、急に、抜け毛の量が増える方が、ときにおられます。これは、「ミノキシジルの初期脱毛」という現象で、大変に反応が良いしるしですから、ぜひ継続してミノキシジル溶液を使ってください。決してミノキシジルを止めないことが大切です。
ミノキシジルの初期脱毛の項目で詳しく説明しますが、このような方は、特にミノキシジルに良く反応する幸運な体質なのです。さらに継続して使えば、抜け毛の量はまもなく落ち着きます。そしてミノキシジル溶液を使い続ければ、数ケ月目以降に髪がかなり濃くなるでしょう。

ミノキシジル外用の副作用


ミノキシジル溶液の副作用では、頭皮の「かぶれ」が最も有名です。ほかに、「体毛が濃くなる」ことも挙げられます。
頭皮のかぶれには、ちゃんと理由があります。ミノキシジルを高濃度の溶液にするために、プロピレン・グリコールを混ぜて、溶かしてあります。このプロピレン・グリコールがかぶれの原因なのです。
使用開始時からかぶれる人はほとんどいません。数年~10年間と長年の間使い続けると、ある時期から急に、頭皮がかぶれて痒くなり、表皮が剥けてフケが増えたように見えます。ミノキシジル溶液に混ぜてあるプロピレン・グリコールにかぶれて、頭皮に炎症がおきるのです。
そうなると、ミノキシジル溶液の使用をしばらくお休みするか、あるいは、濃度が薄いものに変えて、しばらく頭皮を休ませる必要があります。

ごくまれに、ミノキシジルそのものにアレルギー反応がでる体質の方がおられます。そういう方は、初回1度ミノキシジルを塗っただけでかぶれますので、ミノキシジル製品は何も使えないことになります。

次に多いミノキシジルの副作用は、体毛が濃くなることです。ミノキシジル溶液を塗っているのは頭皮なのに、体毛が濃くなるのは不思議ですね。腕や体に塗っているわけではないのに、なぜ、体毛が濃くなるのでしょうか?
実は、ミノキシジルは皮膚から吸収された後、血中に入り、血液によって全身に回り、そこで体毛を濃くするのです。このことから、前頭部に塗っても後頭部の髪も濃くなり、後頭部に塗っても前頭部の髪も濃くなる効果があることがわかります。

製薬会社では、実は、かぶれの原因はわかっていて、最近では、プロピレン・グリコールを含んでいない製品も作っています。それが、フォーム(泡)の製品です。ムース状の泡になっていて、体温で温まると「泡」が溶けて「液体」に変わり、頭皮から吸収されて育毛効果を発揮します。ロゲインフォームや、カークランドフォームという商品名で販売されています。溶液でも泡でも、ミノキシジルは5%の濃度の製品を買ってください。
ミノキシジル溶液でかぶれる方は、フォーム製品に変更すると良い場合があります。あるいは、皮膚が弱くて、かぶれやすい方は、最初からミノキシジル・フォームを使うのもよいでしょう。

そのほかの副作用としては、頭痛や血圧低下などもあげられます。いずれも血管が拡張する結果みられる症状です。実際には、ミノキシジル溶液を頭皮に塗っても、頭痛や血圧低下の症状がでることは、ほとんどありません。もし気になる方は、少量から使用を始めて徐々に量を増やしたり、濃度の薄めのものから始めて徐々に濃くしていきながら、体を慣らしていけば大丈夫です。

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