育毛剤:ミノキシジル

5%ミノキシジル溶液


ミノキシジル溶液は、さまざまな商品名で売られて、容器のデザインも各社さまざまです。中身はどれもほぼ同じです。ミノキシジル(minoxidil)をプロピレン・グリコール(propylene glycol)などの溶解補助剤の溶媒に溶かして5%の濃度に調整した溶液です。

ミノキシジルの育毛作用


頭髪は周期的に生え替わっています。髪が、伸びてしばらくすると自然に抜け落ちて、また次の世代の髪が生えてきます。この生え替わりを繰り返すサイクルのことを毛周期 (hair cycle)といいます。これは実に不思議で非常に精巧な仕組みです。

男性型脱毛症では、正常の髪の成長期(4~6年間)が短縮して極端な場合数ケ月間程度にまで短くなる結果、太い髪に成長する前に、髪が細いままの状態で成長が止まって抜けていくので、髪が全体的に細くなって薄毛に見えるのです。
ミノキシジルは、毛根の細胞を元気にして、この短縮した成長期を少し長くする作用があります。成長期が長くなった分だけ、髪が太くて長い髪に育つチャンスが増えるという訳です。
男性型脱毛症(AGA)で全体的に細くて短い毛に変わった髪が、少し太くて長い髪に変わると、頭髪が濃くなったように見えるのです。また、成長期が長くなると、毛周期が全体的に長くなるので、抜け毛の量も減ります。これがミノキシジルの育毛効果です。

ミノキシジルには、もともと血管拡張作用がありますが、ミノキシジルで髪が濃くなるのは、血流を良くする結果というよりも、毛根の細胞を元気にして、短くなった毛周期の成長期が長くなることだと言われています。
たとえば、血管を拡張する薬は、循環器内科の領域では、ほかにもたくさんの種類がありますが、どの血管拡張薬にも髪を濃くする効果はありません。頭皮の血管が拡張するだけでは髪は濃くならないのです。

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