ミノキシジル錠の副作用:内服してはいけない人

むくみ、急激な体重増加

心不全では、足や顔に、むくみが出たり、全身に水がたまって、体重が急に増えたりします。

足や全身のむくみは、ミノキシジル錠を内服したときに、わりとよくみられる、頻度の多い副作用です。

足に、むくみが出ると、指で押さえた痕に、くぼみが残ります。
むくみに気が付くと、皆さん、こわくなって、ミノキシジル錠の内服をやめられます。

ミノキシジル錠の内服をやめると、むくみが消えて、増えた体重も元にもどる場合が多いです。

足のむくみ、体重増加

医学的には、むくみの原因としては、心不全、内分泌ホルモンの異常、腎機能障害、肝硬変、栄養障害などが考えられます。

しかし、若い人では、普通、心臓の病気や、内分泌異常、腎不全、肝硬変、低栄養、などは考えにくいものです。
心機能、腎機能、肝機能、内分泌ホルモンなどは、若い世代では、いずれも正常のはずです。

ほかには、血管透過性の亢進、リンパ流の障害、局所の循環障害なども、まれに、むくみの原因になります。
しかし、薬剤性の原因で、全身の血管から漿液性の水分がもれて、血管の外に水がたまる全身浮腫は、異常な状態といえます。

若い方で、全身の組織に水が貯留してむくむことは、普通はありえないことです。
むくみは、何か異常なことが体内で起こっていることを示しています。これは大変なことです。

すぐに、ミノキシジル・タブレット(ミノタブ)の内服を止めることが必要です。
そして、ミノタブの内服を止めると、むくみが消える場合が多いです。

ということは、ミノタブがむくみの原因だったことを示しています。

心のう液貯留、心不全

そのほかの副作用に、心のう液の貯留による心不全があります。
心のう液貯留とは、心臓の周りに水がたまって、心臓の動きが妨げられる状況です。

心臓は丈夫な袋に包まれています。この膜を、心膜といいます。
心膜と心臓の間には、ごく少量の水があって、心臓がなめらかに動けるように、潤滑油の働きをしています。
これを、「心のう液」、あるいは、「心膜液」と言います。

この、心膜の周りの液体の量が増えた状況を、「心膜液貯留」と言います。
さらに量が多くなると、「心タンポナーデ」といいます。

心のう液の量が、短期間で急に増えると、心臓が圧迫されて動きがさまたげられるので、「胸の重苦しさ」、「動悸」、「むくみ」など、心不全による苦しい症状が現れます。

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