Q 2-7.
なぜ髪は加齢とともに、白髪になるのか? 医学研究

なぜ髪は、加齢とともに白髪になるのですか?
白髪は、良い髪ですか、それとも悪い髪ですか?
白髪は抜いたほうが、よいのですか?
A 2-7.
白髪は、ヒトの老化の一般的な特徴の1つです。 この問題に関して、基礎的な研究があります。
メラノサイトは頭皮の毛球上皮に存在しています。 メラノサイトは、毛髪繊維のケラチノサイトの内部で、メラニン色素を生成しています。
メラニン色素の沈着には、黒褐色の色素(ユーメラニン)と黄赤色の色素(フェオメラニン)の、2種類のメラニンが含まれています。 メラニン色素の沈着の結果によって、哺乳類の毛髪は、赤色、茶色または黒色など、髪の色が決まります。
これらの色素は、酵素チロシナーゼによって、チロシンから合成されます。
メラノサイトは、同時に、髪の抑制物質も産生しています。 それは、毛幹の直径の成長を抑制する物質です。
メラノサイトが、老年期に活性を失うと、チロシナーゼ活性が低下するか、または消失します。
すると、メラノサイトはメラニン色素などの生成を停止し、髪の色は灰色または白色に変わります。
同時に、メラノサイトから抑制因子が生成されなくなるため、白髪の毛幹の直径は、以前の髪よりも、太くなります。
白髪を顕微鏡で観察すると、白髪の直径は、常に、周囲の黒い髪の直径よりも、ずっと太くなっています。
さらに、白髪では、髪の成長速度も速く、黒い髪よりも速く伸びます。
あなたは、太くて速く伸びる髪が手に入ったことに、感謝すべきなのです。
若い方で白髪が気に入らなければ、白髪を切ることは、構いません。 しかし、白髪は、引き抜かないでください。
髪は、抜き続けていると、やがて、生えてこなくなります。
白髪は、染めれば大丈夫なのです。
そうすれば、将来、総白髪になったときに、髪の太さとボリューム感を、楽しめるでしょう。
ほかに、うれしい最近の医学研究もあります。
ビタミンB3(ナイアシン)の誘導体に、NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)があります。
このNMNの作用で、白髪が黒髪にもどる場合があるようです。 NMNは長寿遺伝子にも良い影響があり、細胞の代謝改善、若返り、健康長寿、老化の抑制などの効果があります。
NMNをとるために、ブロッコリー、枝豆、トマトなどの野菜、魚、肉、レバーなどを食べましょう。
腸内細菌叢の善玉菌を増やすとNMNが増えます。 善玉菌が体内でNMNを作ってくれます。
高齢者の白髪が自然に黒髪にもどることがあります。 みなさんの身の回りでもときどきみられると思います。 そのメカニズムは、「メラノサイト幹細胞の若返り現象」とよばれ、医学誌でも研究されています。(melanocyte stem cells regeneration)
この白髪が黒髪にもどることは興味深い現象です。 80~90歳代の方々では、経験的に100人中1-2人くらいの頻度で、メラノサイトの若返り現象がみられることがあります。 60-70歳代以下の方々でもときにみられることがある現象です。
なぜ80~90歳代の超高齢者で白髪が自然に黒髪にもどるのか、その詳しいメカニズムはまだ不明ですが、メラノサイト活性の若返り現象に、長寿遺伝子・NMNなどが関与している可能性が指摘されています。
(NMNに関する詳しい内容は、このホームページの健康長寿シリーズ、第4章「ミトコンドリアの若返り」の部分を参考になさってください。)










