髪の密度と薄毛対策

植毛で作れる密度:髪が生える角度


地肌から髪が生える角度が鋭角だと、髪の重なりができやすく、隙間が目立ちにくいので、髪が濃く見えます。
髪が垂直に近い角度で生えると、髪の隙間が目立って、薄毛に見えやすくなります。

普段、髪が生える角度など気にしたことはないと思いますが、植毛で新しく髪を植えるときには、移植する角度が重要です。自然な仕上がりになるように、微妙に角度や方向を調節しながら、移植していきます。

植毛で作れる密度:髪の配列


自然の頭髪は2~3本毛の束で生えています。この束のことを毛包単位といいます。
この2~3本毛の束が、横並びに生えているか、縦並びに生えるかで、見た目の濃さが変わります。前から見る場合、横並びに生えていると、隙間をふさぎやすいので、髪が濃く見えます。もし、縦並びに生えていると、髪が重なって隙間をふさがないので、前から見て隙間が透けて見えやすく、薄毛に見えやすくなります。

これは、植毛でグラフトを植えるときの、毛包単位の配列の話です。同じ株数の移植でも、2~3本毛を、横並びに植えたほうが、髪の隙間をふさぐので、前から見て濃く仕上がります。この場合、横方向から見ると、透けて見えやすい理屈になりますが、人に合うときは、前から見られる機会が多いので、前から見たときの濃さを優先します。

自毛植毛では、移植する際の、グラフトの向きも、仕上がりの見た目の濃さに影響します。
ちなみに自然の髪の生え方は、場所によって配列が微妙に斜めに変わっていて、どの方向から見ても透けにくくなっています。自然の不思議ですね。

植毛で作れる密度:毛包単位の隙間


移植する際に、毛包単位ととなりの毛包単位の間隔が広いと、薄い仕上がりになり、地肌が透けて見えやすくなります。
単位面積当たりの移植株数を多くして、高密度に植えると、仕上がりが濃くなります。植毛では、移植するグラフトの間隔が、仕上がりの濃さに影響します。

限られた数のグラフトを移植する際に、高密度で移植すると、濃い仕上がりになりますが、狭い範囲しか移植できません。これを高密度植毛といいます。
逆に、低い密度で移植すると、薄い仕上がりになりますが、広い範囲に移植することができます。これを低密度植毛といいます。

既存の髪がまだ残っている範囲に追加して移植する場合は、植毛の密度を少し低くして、広めの範囲に濃さを増やすように配慮します。
既存の髪がない場所に移植して、新しく濃さを作る場合は、かなり高密度に植毛して、周囲の既存の髪の濃さに近い仕上がりを目指します。この場合は、狭い範囲しか植毛できません。

植毛で作れる密度


このように、いろいろなテクニックを駆使して、お客様のご希望にかなうような、効果的な仕上がりを目指すのが、自毛植毛です。自然な仕上がりにするためには、さまざまな専門的な知識が必要です。

自毛植毛の仕上がりは、担当する医師によって結果が違います。熟練の技術と匠の技の世界です。
どこのクリニックでも同じ結果が得られるわけではありません。

自毛植毛の治療を受ける際には、慎重な担当医選びがとても重要です。
あくまで自己責任です。

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