頭髪の密度
髪の濃さのことを「密度」といいます。
皆さんは、髪の濃さは生まれつき決まっていて、自分の意志では変えられないと思っていませんか?
じつは、ちょっとした工夫で、髪の濃さは変わるのです。
頭髪の密度:真の密度・見かけの密度
頭髪の密度には、「真の密度」と「見かけの密度」の2種類があります。
「真の密度」とは、個人の髪質で決まっている、本当の髪の濃さです。
「見かけの密度」とは、その時の、いろんな条件次第で変わる、見かけ上の濃さです。
真の密度は、自分では変えられません。それに対して、見かけの密度は、自分の努力や工夫で変えられます。
これらの違いは何でしょう?
この章では、さまざまな要素を組み合わせて、効果的なヘアスタイルを作れるように、考えてみたいと思います。
真の密度:太さとボリューム感
真の密度に大きく影響するのは、髪の太さです。
たとえば、太い髪質で、いわゆる剛毛の方は、髪が濃く見えて、髪型のボリューム感を出しやすいです。
それに対して、細い、ねこっ毛の髪質の方は、地肌が透けやすく、ボリューム感が出にくいものです。
若い頃に剛毛で困っている方でも、高齢になると、だれでも髪が細くなり、ボリューム感がなくなって、薄毛に見えやすくなります。もともと髪質が太かった方では、加齢による薄毛の悩みは深刻になりがちです。
さらに髪が細くなって、うぶ毛になると、髪がない人のように見えますが、顕微鏡で見ると、髪の本数は若い頃と変わっていません。
このように髪の太さは、髪の濃さに大きく影響します。
真の密度:長さ
髪の長さも密度に影響します。
髪を長く伸ばすと、広い範囲の地肌をカバーできるので、地肌が隠せて、頭髪が濃く見えます。
逆に、短髪にすると、狭い範囲しかカバーできないので、隙間が目立ちやすく、髪の量が減ったように感じます。
たとえば坊主刈りにすると、頭全体で地肌が見えますので、薄毛のように見えます。
ロングヘアにすると、髪の重なりが増えるので、横の髪は実際以上に濃く見えますが、分け目やつむじでは、髪の重なりがないので、地肌が見えて、実際の密度よりも薄毛に見えがちです。
生え際からつむじまでの範囲の薄毛が進行すると、髪が伸びなくなります。そうなると、濃さのバランスをとるために、横や後ろの髪も短髪にして、全体的な短髪の髪型に変える方がおられます。それも有効な工夫の一つです。
その辺の事情はよく理解できます。