日和見菌

まとめ
バクテロイデス、大腸菌、連鎖球菌などの日和見菌は、ヒトの体が健康な時は、おとなしくしていますが、体が弱ってくると、腸内で悪い働きをします。
解説
日和見菌は、ヒトの体が健康な時は、おとなしくしていますが、体が弱ってくると、腸内で悪い働きをします。
日和見菌として代表的なものには、
バクテロイデス
ある種の大腸菌
緑膿菌
いく種類かのブドウ球菌
連鎖球菌
アシネトバクター属
などがあります。
年齢と腸内細菌叢の変化

まとめ
新生児は、出生時に母親から乳酸桿菌(ラクトバシラス属菌)などの善玉菌を受け継ぎます。
乳児期の腸内細菌叢は大部分がビフィズス菌です。
幼児期に大人の腸内細菌叢に変化し、ビフィズス菌の割合が減少していきます。
思春期から成人の腸内細菌叢は、大部分が日和見菌と善玉菌で、成人の腸内では、10~20%がビフィズス菌です。
高齢者の腸内細菌叢では、悪玉菌のウエルシュ菌などが増えて、ビフィズス菌などの善玉菌が減少しています。
悪玉菌は、腸内で、アンモニアや硫化水素ほかさまざまな有害なガスを作り、腸の壁に炎症反応を起こして、炎症性の腸疾患や、大腸ポリープ、大腸がんの原因になる可能性があります。
解説
胎児のときの、腸の中は無菌です。
生まれた後に、母親や父親から、腸内細菌を受け継ぎます。 その多くは、乳酸桿菌(ラクトバシラス属菌)などの善玉菌です。
乳児期の間に、母乳の乳糖や、ガラクトオリゴ糖を栄養源に、乳児の腸内に、ビフィズス菌が増えます。 乳児の腸内細菌叢は、約90%がビフィズス菌です。
離乳期以降になると、乳幼児の腸内細菌叢は、徐々に大人の細菌叢に変化して、年齢とともにビフィズス菌の割合が減少していきます。
思春期から成人期の腸内細菌叢は、大部分が、日和見菌と善玉菌です。悪玉菌は、増殖が抑制されています。
成人の腸内では、10~20%がビフィズス菌です。
高齢者になると、悪玉菌のウエルシュ菌などが増えて、ビフィズス菌などの善玉菌が減少します。
このように、若い世代の腸内では、腸内細菌叢は善玉菌が多数ですが、高齢者になると、悪玉菌が多数になります。
悪玉菌は、腸内で、アンモニアや硫化水素ほか、さまざまな有害物質を作ります。 このアンモニアや硫化水素は、ガス状態になって腸の内部にたまります。 たまったガスの量が多くなると、一部はおならになって、肛門から外に排出されます。
大人のおならが、くさいにおいがするのは、このアンモニアや硫化水素が含まれているからです。
悪玉菌が作るガスが、おならになって体外に出る前は、アンモニアや硫化水素などのガスが、腸内に貯留している状態になっています。 これらのガスが、腸の中にたまっていると、腸の壁の組織に、炎症反応が起きます。 この炎症反応が長く続くことは、良くないことです。
このように、悪玉菌が腸内に増えると、腸の内壁の組織に炎症反応が起きます。 このことが、炎症性の腸疾患や、大腸ポリープの原因になる可能性が、最近の医学研究で、指摘されています。
大腸のポリープは、やがて、大腸がんになるので、大変です。
高齢者になると、腸内に悪玉菌が増えることは、避けられません。 高齢者でも、若い頃のように、腸内に善玉菌が増えた状態にもどす事は、できるでしょうか? 実は、それは可能です。
その方法とは、善玉菌を、毎日少しずつ、補うのです。
善玉菌を薬にしたものが製品化されていますので、それを毎日内服しましょう。
具体的な方法は、次の章で、解説します。
(参考文献)
Mitsuoka T. Intestinal flora and diet. Proceedings of XII. Riken symposium on intestinal flora, Tokyo, 1991.
善玉菌はどこから来る?

まとめ
新生児の腸内細菌叢は、自然分娩で母親の産道を通るときに、乳酸桿菌(ラクトバシラス属菌)が母体から新生児に移ると信じられています。
帝王切開では、母体の皮膚の常在細菌(プロピオニバクテリウム属菌)が、新生児の主な腸内細菌になります。
お風呂でも、子供が両親と一緒にお風呂に入ることで、湯船の中で、親の腸内細菌が乳幼児に感染すると言われています。
解説
善玉菌とは、ヒトの体の健康に役立つ良い菌のことです。
善玉菌の働きとしては、腸の動きを良くして、悪玉菌の増殖を抑え、消化吸収の補助、免疫刺激、健康維持、老化防止などがあります。
具体的な菌の種類としては、つぎのようなものが挙げられます。
ビフィズス菌 bifidobacterium
乳酸菌 lactic acid bacterium
酪酸菌 butyric acid bacteria
ところで、新生児ではこれらの善玉菌の腸内細菌は、いったいどこから来るのでしょうか?
新生児は、母親の胎内で、菌のいない環境で育ったので、生まれたばかりの時は、新生児の腸内には、細菌はいないはずです。
それなのに、どうやって、都合よく、善玉菌だけが、新生児の腸内に最初に増えるのでしょうか?
一つの可能性としては、産道での感染が挙げられています。
自然分娩の出産で、母親の産道を通って出てくる際に、母体から新生児に菌が移ると信じられています。
新生児の腸内細菌叢では、若い女性の健康な膣内に優勢な乳酸桿菌(ラクトバシラス属菌)が大部分です。
帝王切開では、母体の皮膚の常在細菌(プロピオニバクテリウム属菌)が、新生児の主な腸内細菌になります。
どちらの出産でも、1~2歳頃までには、小児に通常よくみられる善玉菌に入れ替わって、それらが主体になります。
また、もう一つの可能性は、お風呂です。
子供が、両親と一緒に、お風呂に入ると、湯船の中で、親から子供に感染するという報告があります。 親の肛門から、お風呂のお湯に溶けだした善玉菌が、子供の肛門から、腸に入る経路です。
子育て世代の若い両親の大腸では、ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌などの善玉菌が優勢です。 これらの親の善玉菌が、お風呂のお湯の中で子供に移って、小児の腸内細菌叢になります。
子供が親と一緒にお風呂に入ることは、とても大切な良いことだったのです。
(参考文献)
Odamaki T, van Sinderen D, et al. Scientific Reports 8(1), 85, Jan 2018.










