オートファジー(細胞内修復機構) 老化・病気から命を守り、寿命を延長する仕組み

オートファジーの1番目の機能
代謝回転

まとめ

代謝回転とは、細胞内の傷ついた古いタンパク質を少しずつ壊して新しいタンパク質と交換して、細胞をそのまま新しいものに作り換えることにより、細胞内の恒常性を維持する機能です

このオートファジーの機能により、脳細胞や心筋細胞は、細胞数が増えなくても、細胞の中身が常に新しく入れ替わって老化を防いでいます。 その結果、細胞は、生涯元気で機能し続けることができるのです。

さらに、若年性のアルツハイマー病や、パーキンソン病などの神経変性疾患、がん、糖尿病、などの予防にも役立つ可能性が研究されています

解説

 代謝回転

代謝回転とは、新陳代謝のような内容です。 細胞内の古くなったタンパク質の一部を、毎日少しずつ壊しては、新品のタンパク質と交換して、細胞を新しいものに作り直す機能です。

これにより、損傷した細胞内小器官やたんぱく質凝集体を除去し、細胞内の恒常性を維持しています

また、細胞内の不要物を分解して、栄養素をリサイクルし、アミノ酸などの代謝中間体を供給したりしています。

皮膚や腸の上皮細胞は、表面の細胞層が脱落して、下から上がってくる新しい細胞層に、常に入れ替わっています。 皮膚や髪も同様に新しく入れ替わっています。

しかし脳や心臓では、脳細胞や心筋細胞は再生しないと言われてきました。 脳や心臓の細胞が古くなると、機能が低下するので大変です。

脳細胞や心筋細胞は、生涯、細胞数は増えませんが、実は、オートファジーによって、細胞の中身が常に少しずつ新しく入れ替わって、リニューアルして、老化を防いでいるのです。

つまり、脳や心臓では細胞の数は増えなくても、細胞の中の部品を常に少しずつ新しいものに作り替えていて、脳や心臓の機能が維持されているので、歳をとっても機能が衰えないでいられる、というのです。 すごい話です。

この機能により、生涯の長い期間にわたって、脳や心臓は、元気で機能し続けることができるのです。 それを聞いて、ちょっと安心ですね。

この機能が停止すると、若年性のアルツハイマー病や、パーキンソン病などの神経変性疾患になるという研究があります。

何らかの機序時より、オートファジーの機能が抑制されると、細胞の恒常性が破綻し、がんや、神経変性疾患、糖尿病などにつながると考えられています。

オートファジーの2番目の機能
飢餓時の栄養補給

まとめ

飢餓で栄養が補給されないときに、自分の細胞の一部を壊して栄養源にして、生物が生き延びる機能です。

解説

 飢餓時の栄養の補給

栄養が補給されないときに、自分の細胞の一部を壊して、それを栄養源にして、生命が生き延びる機能です。

ヒトの体には約37兆個の細胞がありますが、その中には、栄養を蓄える目的に特化した細胞もあります。

ほとんどの動物は、起きている時間の大部分を、エサをとるために費やしています。 生きるために、食料は、無くてはならないものです。 エサの確保は、生き物にとって、最も重要なことです。

大昔、人類が狩猟生活をしていた頃は、獲物が取れない日が多かったはずです。 氷河期に、食べるものがない飢餓の日々を、空腹に耐えながら、人類が生き延びることができたのも、このオートファジーの機能のおかげでした。

現在の飽食の時代では、このオートファジーの2番目の機能は、体脂肪を増やす方向に働くので、中高年者で血中コレステロール値や中性脂肪が増加する原因になっています。

現代では、いつでも容易に食料が手に入りますが、このような飽食の時代は、人類の歴史の中では、ごく最近の短期間だけのことなのです。

人類の歴史の大部分は、飢餓との戦いでした。 その厳しい環境の中で、人類が生き延びるために、オートファジーはとても大切な機能でした

オートファジーの3番目の機能
有害物質や病原体の排除

まとめ

細菌やウイルスなどの病原体が侵入してきたときに、体のすべての細胞は自分から病原体を攻撃します これは、リンパ球のような免疫機能ではなく、自然免疫の機能です。

さらに、ミトコンドリアや細胞内の微小構造物が壊れたときに、それらを処理して再利用したり、作り直したりします

細胞内に沈着した有害物質を処理して取り除く機能でもあります。

壊れたリソソームを修理したり、処理したりもします。

このオートファジーの機能により、アルツハイマー病や、パーキンソン病などの神経変性疾患、感染症、がん、などが予防されていると考えられています。

解説

 有害物の選択的な除去

自然に備わっている免疫機能とも言えます。

細菌やウイルスなどの病原体が侵入してきたときに、細胞は自ら病原体を攻撃します これは、リンパ球のように特定の細胞が担当する免疫機能ではなく、体のすべての細胞が持っている、自然免疫の機能です。

また、オートファジーは、ミトコンドリアや細胞内の微小構造物が壊れたときに、それらを安全に処理して、再利用したり、作り直したりします

あるいは、オートファジーは、有害な物質を選択的に取り除く機能でもあります。

細胞内に取り込んだ尿酸やコレステロールの結晶を処理します。

オートファジーは、アルツハイマー病で、細胞内に沈着したアミロイドを処理する機能でもあります。

リソソームが傷ついたときには、壊れたリソソームを修理したり、処理したりします。

このように、オートファジーは、神経変性疾患で、細胞内の異常タンパク質を除去する機能があります

アルツハイマー病や、パーキンソン病の原因物質を取り除くので、病気の発症を根本で予防している機能と考えられています。

そして、もしオートファジーの機能が抑制されると、がんや、神経変性疾患、感染症などの発生につながると考えられています。

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